【議会報告】2020.02.21 本会議 常任委員会報告①

議会報告

【2.2.21本会議①】
盛りだくさんの本会議。本日、2月21日の状況について、何本かに分けてご報告致します。

自民会派からは6常任委員会報告を
前田和彦教育こども委員長
荒木幹男建設港湾委員長
よりさせて頂いております。

その上で、多賀谷俊史議員より大学統合案件について、下記の通り反対討論を行い、反対の意を示させて頂いております。

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 私は自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団を代表いたしまして、議案第31号「公立大学法人大阪に係る第1期中期目標の一部変更について」、反対の立場から討論いたします。
公立大学法人大阪の中期目標については、2019年の制定当初から、市大と府大の統合の目途を2022年度としていたことから、我が会派としては反対しておりましたが、今回の議案では一歩踏み込んで「新大学を2022年度に設置する」とした中期目標の変更であることから、改めて反対を表明するものであります。

 また、キャンパスの再編や整備に取り組む旨も記載されており、森之宮の新キャンパスや、既存のキャンパス整備も含め、推計で1,000億円という巨額の費用となりますが、全くキャンパス整備について具体的な記載がないことは大きな問題です。さらに、新年度予算において約5億ものキャンパス整備のための基本設計費が計上される予定と聞いておりますが、本来であれば、このような設計費は、中期目標の変更とあわせて議論されるべきです。

先日、森之宮の整備用地を視察いたしましたが、周辺はURの住宅はあるものの、他は下水処理場やメトロの検車場、もと森之宮焼却工場などで、ここにいきなり巨額の費用をかけて新キャンパスを作るということが本当に良いことなのか、十分に検討されたことなのか大いに疑問です。
大学を統合せずに市大のままであれば、このような巨額の整備費をかける必要はないのであり、そのようなお金があるならキャンパス整備よりも大学の基幹教育の費用や研究費にまわすことができたはずです。
また、特別区設置に関する住民投票が賛成多数となった場合、2025年1月には、特別区制度に移行することになります。府に移管された場合の特別区民の負担について、委員会で確認したところ、現在、大阪市が負担している大学に係る運営交付金や施設整備・改修などの費用を、特別区設置後も財政調整財源により負担し続けるとのことでありました。
言い換えれば、市から大学へ出資した約1,000億円の財産が府へ移管されるうえに、特別区の設置後は、特別区民は、大学に関与できないのに、財政調整財源という形でお金だけ負担し続けることになります。これではまさに「ぼったくりバー」以上ではないでしょうか。
さらに、府に財産を移管するというならば、移管時点の価値を市民に対して明らかにすべきであることから、大学の土地・建物の鑑定評価を行うべきであると主張いたしましたが、理事者からは、特別区への移行に必要な手続きとはなっていないことを理由に、鑑定評価を実施する予定はない、とのことでした。

 二重行政や、広域行政であるという名のもとで様々なものが府へ移管されようとしておりますが、市民がその正確な価値を把握しないまま府に移管されてしまうのは、いかがなものかと思います。府に移管される市民の財産は、市長のものでも議員のものでもありません。市民のものです。市民に対して正確な情報を発信することは、市長の説明責任ではないでしょうか。
また、出資による権利が府に承継されるということは、特別区に設立団体としての権利はないということになります。1,000億という巨額の投資に対して、運営交付金が現在の水準のままされるのかなど、重要な議論がほとんど行われないまま、いわば議会のチェック機能がほとんど働かないまま統合が進んでしまうことは非常に残念です。
大阪市が負担してきた運営費や整備費等の財源は、財政調整財源の大阪府の配分割合2,000億円の中に入れこまれており、いわば、大阪府への配分割合という形で、市税が永続的に府に持っていかれることとなります。
しかも、この移管された財源を、大阪府が大学のために使うとは限りません。
現在でも大阪府は基準財政需要額を下回る運営費交付金しか出していません。
特別区になり、運営に口出しできなくなったとき、市とは大学に対する思い入れが違うため、財源はそのまま持っていき、府は大学の運営費を削減し、他の事業に回すこともあるのではないでしょうか。

以上のことから、今回の中期目標の変更議案には賛成できないと申し上げ、反対討論といたします。ご静聴ありがとうございました。

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