【議会報告】2020.02.21 本会議 常任委員会報告③

議会報告

【2.2.21本会議③】
 大阪市立学校活性化条例の改正案は、今年に入ってから出てきた話。背景として、この間、地元との協議が進められている生野区西部地区学校再編整備計画があります。いわば今回の条例改正案は、生野区の学校統廃合をはじめ学校再編を強行せんがために設えられた条例と言えます。
確かに、児童の数、クラス数が少ないことには課題があり、子ども達の円滑な教育環境としては好ましくないこともあるのも事実です。しかし、児童数はまちづくりと合わせて変動する要素でもあり、中長期的な展望にたって地域発展を目指す責務が大阪市にはあるのです。
山本長助議員が、委員会での木下吉信議員の質疑を受け、また生野区を地元とする黒田まさし前大阪市会議員から地域実状を聞いた上で、反対討論を行いました。

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 私は自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団を代表し、上程されました議案第8号「大阪市立学校活性化条例の一部を改正する条例案」に対して、反対の立場から討論をいたします。

そもそも今回の改正条例案は、学校再編を強行するための案と言えるもので、生野区西部地区学校再編整備計画が進まない現状を打開する為の側面が非常に高いものであります。これは、教育委員会・区役所が本来果たすべき地元住民との合意形成ができなかったことの証でもあります。
以下、反対理由を、3点申し上げます。

まず1点目は、条例の提案の方向性を決めた総合教育会議における問題点です。同会議に提出された資料にあった課題の中に、地元の方の発言に関して恣意的な記載がありました。その点、先日の「教育こども委員会」で我が会派からも指摘をいたしましたが、発言をしたとされる複数の方々から、「そんな発言はしていない」、「発言の趣旨が違う」といった話を聞いておりますし、委員会前には、発言をしたとされる方からの抗議文が山本教育長に提出されています。
言った言ってないといった議論はさておくとしても、記載をする前にご本人に何故確認しなかったのか。また、例えば「地下鉄の延伸がされなければ再編は認めない」といった部分をあえて切り取った記載をし、地域がごね得を狙っていると印象付けるようで、教育委員会や区役所には非がないかのような恣意的な資料であると言わざるを得ません。

2点目として、条例案の16条の7に書かれてある「保護者等の意見を聴かなければならない」の意味であります。振り返りますと、平成31年3月末に統合されました鶴橋中学校と勝山中学校の協議会において、教育委員会・区役所は委員の方々に対して「最後に揉めるのは学校名だから先に学校名を決めさせて」、更には「あくまでも目標だから開校時期を決めさせて」と懇願し、その二つが決まった事をもって、「合意をいただいた」とし、だまし討ちのような手法を取った経緯があります。
今回の条例案に基づいて、計画の実施時期など様々な事を決定し、公表してから合意を取る事は強引ではないかと確認すると、教育委員会の担当者は「今回の条例では合意という概念はありません」という回答でした。まさに、意見はあくまでも聴きおくだけで、良くてもマイナーチェンジしか対応しないことは明らかで、学校再編強行案としか考えられないのであります。これまでの当委員会等において、教育委員会・区役所は何度も「丁寧に説明してまいります」「合意をいただけるように努力を続けてまいります」と答弁を繰り返すだけで、時には「冷却期間を置くのもひとつの方法である」と発言しておきながらの急転直下の条例案提出には、ただただ驚くばかりです。

最後に3点目として、過小校のみが対象で、過大校は対象外であることが挙げられます。過小校は地域の合意を得ること無く進め、過大校は個別対応の名のもとに先送りをしているではありませんか。まさに、過小校は行政が楽をし、過大校は自分たちを縛ることの無いようにする、あまりにも身勝手な内容であります。

最後に改めて、生野区西部地区学校再編整備計画の無策を棚にあげて、見解表明で反省の弁もなく、そもそも大阪市が総合計画も作ることなく、都市計画や都市政策をないがしろにしてきたからこそ、学校が不足する地域や、生野区のように学校再編をせざるを得ない地域が生まれているのではないのですか。都市政策の失敗のツケを住民に押し付けることはあってはならないと考えます。
縷々申し上げましたが、委員各位に置かれましては、今後全市的に学校再編整備計画が強引に進められること、意見は聴くだけであることを、しっかりとご認識いただき、議案第8号に反対することにご賛同いただく事をお願いし反対討論とさせていただきます。ご清聴いただきありがとうございました。

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