【議会報告】2018.03.27 本会議「予算案」

議会報告

≪平成30年度予算案 修正提案趣旨説明≫ 二元代表制のもとで議会の権能は決して強力なわけではありません。地方議会において予算編成権と執行権限を持つ首長の持つ権限は絶大ですが、チェック機関として議会も無駄な予算案については是正をしていかなければなりません。

平成30年度予算案について、自民市議団が修正提案をさせて頂いたのは以下の三点です。
①特別区設置に関する広報予算及び経済効果算定予算
②生野区西部地域の学校再編に係る実施設計費用等
③大阪健康安全基盤研究所等に係る一元化施設整備費

①…32億円かけて住民投票までした大阪市廃止分割による特別区設置について、バージョンアップとは程遠い案に対して広報予算をつけるとは、なんとムダなことでしょうか。ましてや、一度公募不調となった経済効果算定をもう一度やるなんて…。
②…市民合意を得ずして進める学校の統廃合。統廃合の必要性以前の問題として、上から目線で行政を進めて統廃合を既定事実化するかのような予算案を認めることができるでしょうか。
③…府市統合とは言いながら、結局は大阪府の言いなりで本来大阪府において全額負担すべき事業について大阪市がボッタクリバーに請求書を突き付けられるが如く広域的な事業に対して負担を求められている状況に目を向けずに賛同するわけにはいきません。

到底認めることができない予算案の一部について減額修正を求めて、永井議員から提案趣旨説明をさせて頂きました。詳細は以下をご覧ください。

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私は自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団を代表いたしまして、議案第35号「平成30年度大阪市一般会計予算」及び議案第48号「平成30年度大阪市公債費会計予算」に対し、次に述べる点を修正することを望み、以下理由を説明いたします。

①まず修正の1点目ですが、副首都推進事業にかかる「大都市制度広報費5292万5千円」と「新たな大都市制度の経済効果に関する調査検討委託費1千万円」を全額削除し、それに応じた歳入を減額修正するものです。
そもそも、平成27年5月17日に、大阪市を廃止して特別区を設置する是非を問う住民投票が反対多数により否決され、決着済みであります。
結論の出た事をいつまで引っ張ろうとするのでしょうか。
この住民投票では、実に30憶円以上の税負担を大阪市民に負わせたことを忘れてはなりません。

主権者である大阪市民が選んだ住民投票の結果を、我々議会は真摯に重く受け止め、誠実に受け入れなければなりません。具体の理由ですが、大都市制度広報費に関しては、制度的に全く前提の異なる特別区と総合区の2つの考え方を、あたかも同列の選択肢であるかのように並べて、しかもその二者択一しかないかのようなイメージを市民に与え、ミスリードしている姿勢が極めて問題であるからです。また、協議会だよりの内容にも我々の指摘を正確に掲載しないなど、偏りがあって問題であることも指摘しておきます。
それから、いわゆる都構想の経済効果なるものを算定するためのコンサル委託も大きな疑問を持たざるを得ません。そもそも、行政制度と経済効果の因果関係の証明は困難である、と、橋下知事当時の大阪府の自治制度研究会が述べております。
そして先般の29年度補正予算として計上を試みて、結局は取り下げた理由は、コンサル事業者の応募がゼロであったためです。
財政総務委員会において事業者募集にかかわって、理事者が事前にコンサル亊業者に接触した経緯について質疑をしましたが、理事者が具体の答弁に窮したり、 効果算定の考え方についても逸失利益の算定も危惧される中で予算を計上してくるなど、市民や議会を愚弄していると言わざるをえません。
よって、この合算分の6292万5000円は削除すべきと申し上げます。

②続いて修正の2点目ですが、生野区西部地域の学校再編に係る実施設計費用等7350万9千円を全額削除し、それに応じた歳入を減額修正するものです。
その理由は、教育こども委員会で、我が会派が質疑をしたように、そもそも、この学校再編について、当該の2つの地域は合意できる状況には全くなく、実施設計を来年度行うことは無理な状況だからです。
まさに予算計上することによって統廃合が進んでいるかのようなイメージを地域にすりこもうとしているとしか考えられません。
まずは、地域への丁寧な説明、合意形成に向けた努力をするべきです。それがないまま実施設計の予算を計上することは理解できません。予算計上というのは、細心の注意を払って、不用額が出ないようにするものであります。よってこの予算も削除すべきです。

③次に修正の三点目ですが、「大阪健康安全基盤研究所等に係る一元化施設整備費4522万8千円」を全額削除し、それに応じた歳入を減額修正するものです。
その理由は、民生保健委員会において我が会派から質疑しましたように、府と市それぞれに歴史も特徴も違う研究所施設を、ただただ統合ありきで、やみくもに進めた結果、現場は混乱疲弊し、今後の研究所の活動の展望もいまだ抽象的で、研究員の確保にも困っているなど、これまでの貴重な研究資源が引き継がれないという危機的状況に陥っているからです。
これだけでも、この統合の話はいったんストップして、それぞれの意義ある活動をしっかり継続するよう考え直すべきであります。しかもあろうことか、いつの間にか話が決められた一元化施設整備ですが、要は老朽化した府の施設の建て替え整備のための経費の半分を市で持つというのでありますから、もう全くありえない予算です。
研究内容も、広域的観点からの感染症研究ということでありますから、建て替えるべきと考えるなら広域的な自治体である府が負担すべきであり、市が負担するべきいわれはありません。
以上、議員各位のご賛同をお願いし、本予算に対する修正案の趣旨説明とさせていただきます。

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