【議会報告】2017.09.27 本会議「サ市 慰安婦像の設置、慰安婦の日制定について再検討を求める決議」

議会報告


補正予算に対する対応など、委員会での審査結果の報告があり、議決を行う本会議が開催されました。
まずは、案件外の意見書・決議についてのご報告。
議員提出議案第25号「サンフランシスコ市における慰安婦像設置及び慰安婦の日制定について再検討を求める決議」(案)に関して、有本純子議員より討論を行いましたので、その内容について掲載させて頂きます。

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私は自由民主党・市民クラブ大阪市会議員団を代表して、議員提出議案第25号サンフランシスコ市における慰安婦像設置及び慰安婦の日制定について再検討を求める決議(案)に対して、反対の立場から討論します。
サンフランシスコ市とは、1957年に姉妹都市提携を結んで以来、交流事業などを通じて友好関係を深めてきたところです。本年は姉妹都市提携60周年を迎え、新たな友好の一歩をまさに踏み出そうというこの時期にこのような決議文が議会に提出されました。
確かに、サンフランシスコ市における慰安婦像設置などの動きは、60年という長きにわたり積み上げ、深めてきた友好関係に水を差すものであり、遺憾であります。
しかしながら、慰安婦問題は、国会の専権事項である外交問題であり、一昨年の12月に日韓両国政府がこの問題を最終的かつ不可逆的に解決すること、さらに今後国際社会において互いに非難・批判することを控えることで合意しており、現在も引き続き日韓両国政府が努力しているさなかにあります。
そのような国の動きとは別に、我々地方議会が先頭を切ってこのような決議を行い、都市間交流や友好関係を混乱に陥れる必要があるのか、全く理解できません。
このような状況において、大阪市がなすべきことは「姉妹都市提携を解消する」という脅しによって関係を悪化させることではなく、60年かけて培ってきた友好関係のもとで、慎重に対話を重ね、姉妹都市間の信頼関係をさらに発展させ、課題解決に向けて着実に取り組むことではないでしょうか。
そもそも2013年6月18日に、サンフランシスコ市議会が、「1930年代から第二次世界大戦にかけて、日本の占領下にあったアジア諸国において、日本が行った性奴隷制度が軍事的に必要なものであり、日本政府により自らの意思に反し強要されて性奴隷になった証拠はないとした橋下市長の最近の一連の発言を非難する決議」をされたことがことの始まりです。
これに対し、橋下市長が2013年8月13日にサンフランシスコ市議会に送った書簡において、「私の政治家としての発言に関し」と書かれております。そもそもは、サンフランシスコ市議会と「政治家・橋下徹」との間の問題であり、大阪市とサンフランシスコ市の問題ではありませんし、大阪市会とサンフランシスコ市議会との問題でもありません。それを抜きにした吉村市長の発言と、今回のような決議案を出された維新の無責任さを感じます。
姉妹都市提携の目的は、規模や性格の似ている二つの都市の市民が人種や国境を越えた友情によって固く結ばれ、文化や経済などの交流を通じて互いの理解を深め、もって国際親善と世界平和に寄与しようとするものであります。
その精神は、現在誘致活動を行っている万博、人類共通の課題解決を提言する場である国際博覧会にも通じるものであり、姉妹都市解消は誘致活動を阻害するものではないでしょうか。
先日の駐日米国大使との面談時においても、大使は歴史的問題があることには理解を示されたものの、日韓両国が未来志向に立って解決することを望まれたと伺っています。
今、大阪市に求められているのは、過去の問題に固執して先の見えない議論をするのではなく、60年掛けて培った姉妹都市関係のもと、両市が根気よく慎重に対話を重ね、この難局を乗り越えることにより強固な信頼関係を構築し、両市の輝かしい未来に向けた取り組みを構築することではないかということを申し上げて、本決議に反対する討論とします。

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同決議(案)については、表題だけを見れば自民党としては賛成の立場であってもおかしくないと思われます。討論でも述べられた様に「サンフランシスコ市における慰安婦像設置などの動き」は到底容認できるものではありません。

しかしながら、これまでの経過や現状の大阪市がおかれている立場などを十分に考えた上で、真なる国際平和と大阪市とサンフランシスコ市との友好関係を考えた時に、どの様な対応が大阪市会で求められるのかということを真摯に考えなければなりません。

是非とも、多くの皆様に上記討論の内容に目を通して頂き、大阪市会として最終的に同決議(案)について否決となった自体に対してご理解を頂ければと思います。

本来であれば、頑なに決議(案)議決を求めるよりも、同様の決議(案)が5月にも否決されている事実も鑑みて、決議(案)を取り下げることの方が、課題解決に向けての一歩になったのではないでしょうか。

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